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外国での状況 | タルサ治療(TULSA)

タルサ治療(TULSA)

MRIと超音波による前立腺の低侵襲治療

外国での状況

2000-2012年:
前臨床試験がスタート。動物実験を含む機器開発。

2010年:
前立腺がん患者8人に対して、がんを治療する意図はなしにTULSA治療をした直後に前立腺を全摘する臨床試験が行われました。有効で安全な治療であることが示され、MRI画面上で指定した治療範囲と摘出した前立腺の標本の病理検査で加熱されて壊死した範囲が正確に一致している(誤差1.3mm以内)ことが示されました。

2012-2013 年:
2回目のTULSA治療の直後の全摘手術を行う臨床試験が行われました。5人の前立腺がん患者において、がん病変部分をTULSAで治療する試験でした。誤差1.7mmの精度で、すべてのターゲットとしたがん病変が壊死していることが確認されました。
2013-2014年:
米国、カナダ、ドイツで第1相臨床試験(安全性と実用性を調べるための試験)が行われ、低〜中リスク分類の限局性前立腺がん患者が30人が登録され、3年間の経過観察が行われました。1.3mmの治療精度でした。治療範囲を前立腺被膜の3mm内側とし、結果、前立腺体積の90%が治療計画範囲に入りました。画像上の加熱範囲も90%、1年後の前立腺体積減少率も90%、PSA値低下率も90%という結果でした。尿失禁、勃起障害などの副作用発生は非常に低く押さえられました。3年目までに3分の1の患者ががん残存により追加の治療を必要としました。

2016-2018年:
第2相臨床試験(安全性と治療効果を調べるための試験)として、TACT試験(TULSA-PRO Ablation Clinical Trial)がカナダ、米国、ヨーロッパの合計13施設で行われ、115人の低ー中リスクの限局性前立腺がん患者が登録されました。治療範囲は98%に拡大されました。PSA低下率の中央値は95%で、治療後の最低PSA値は中央値0.36ng/mlと十分な低下が得られました。尿失禁、勃起障害を含めた副作用は既存の他の既存の治療に比べて非常に少なく抑えられました。治療1年後に針生検も行われ、65%の患者でがんの残存がなく、治療必要ながん残存は20%に抑えられました。これは、がん制御においては既存の治療と同等の成績でした。これらのデータは具体的なデータは
全摘手術・放射線治療との比較のページHIFUとの比較のページでご覧いただけます。TACT試験の結果は、2019年5月の米国泌尿器科学会で発表されました。

承認状況:
TULSAはヨーロッパでCEマークを取得しすでに臨床使用されています。ヨーロッパ の複数施設において現在300人程度に対して使用されています(2019年10月時点)。
米国では2019年8月にFDA(食品医薬品局:厚生労働省の米国版のようなもの)より承認が取得されました。

治療施設(2019年10月現在):
・トゥルク大学病院(フィンランド)
・ケルン大学病院(ドイツ)
・Krankenhaus der Barmherzigen Brüder Trier、ヨハネス・グーテンベルク大学附属病院(ドイツ)
・ラドバウド大学医療センター(オランダ)
・ハノーファー医科大学(ドイツ)
・ストラスブール大学病院 - 新市民病院(フランス)
・札幌北楡病院(日本)